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- 中国語の初心者がやるべき勉強法をまとめて紹介! - November 5, 2020
私が中国語に出会ったのは、もう30年以上前のこと。
小学校5年生のとき、母が観ていた台湾の映画を観たことが中国語に興味を持つきっかけとなりました。字幕をいっしょうけんめい目で追いながら聞こえてくる美しい発音に惹かれ、自分でも「話したい!」と思うようになりました。30年経った今もやっぱり、中国語の美しい発音を聞くと心が癒されます。
中国語の学習で大切なのは、「楽しい」と思いながら学ぶこと。
何かひとつの単語でも、フレーズでも話せるようになったり、聞いてわかるようになると、「楽しい!」「嬉しい!」と感じますよね。
ここでは、そんな「楽しい!」「嬉しい!」を感じながら中国語の初心者がやるべき勉強法をまとめて紹介したいと思います。
目標設定 – 検定試験を受ける
中国語を習得するための大切なポイントは「目標を立てる」こと。目標を立てることで、方向性を見失しなわずに学習を進めることができるようになります。
ここでは目標設定に検定試験を利用することをおすすめします。
中国語の主流な検定試験は、中国政府公認で世界基準の中国語資格として知られる「HSK(汉语水平考试)」と、一般財団法人日本中国語検定協会が主催する「中国語検定試験」です。
これらの試験を利用することで学習の目標が明確化し、自分にあったレベルで学習でき、
また、試験によって客観的な評価が得られる、というメリットがあります。検定試験にはいくつかのレベルがあり、例えばHSKなら1~6級、中国語検定なら準4~1級までのレベルに分かれています。ここから、「HSK3級を目指したい」、「中国語検定4級を目指したい」など目標を立てます。それぞれのレベルに必要な語彙量、文法内容、リスニング、スピーキングの内容がある程度明確に案内されているので、計画的に学習を進めることができます。
「中国語を話せるようになりたい」と思っても、具体的な目標がなければ何をどのように学べば良いのかわからなくなってしまいます。目標を立てて、効率よく学習し、学習した内容の力試しをする。そのために検定試験を利用することはとても有効な手段であるといえます。
発音の勉強法
正しい発音の理解&発音を真似る練習
中国語には21の声母(子音)と38の韻母(母音)に加え約400の音節、そしてすべての音節に四声があり、全部で1600種類の発音があると言われています。
日本語は50音、そこに拗音、撥音を合わせても100種類程度になります。そのため、日本人にとって中国語を習得するのに最も難しいのは発音だと言われています。
発音をマスターするための重要なポイントは子音、母音の発音、四声をしっかりと身に付けることですが、そのときに自分の苦手な発音を知ることがとても大切です。
自分の苦手な発音をノートに書き出してみたり、テキストにマーカーで印をつけるのも良いでしょう。そして、その発音を繰り返し練習するようにします。
また、ひとつの単語を分解して発音練習することもおすすめです。
例えば、「称(cheng)」という発音が苦手だったとします。この「称(cheng)」をchとeとngにわけてゆっくり発音を確かめながらつなげていきます。何度も何度も繰り返し練習することで苦手な発音を克服できるようになります。
また、正しい発音を習得するためにネイティブの発音を真似ることもポイントです。
LingoDeerでネイティブの発音を聴くことができます。
インターネットを使ってネイティブの方と交流することもできますね。
このようなツールを使って、ネイティブの発音を真似たり、自分の発音を録音して聴いてもらうのも良い方法です。動画などで聴くことができる場合は、ネイティブの方の口元の動きにも注目し、動きも真似てみましょう。
そして、上述したように、苦手な発音を見つけたら繰り返し発音の練習をしましょう。
ピンインのおぼえ方
上述の通り、中国語の子音は21個、母音は36個で400余りの組み合わせ(音節)があります。一見、とても多く感じられますが、「絶対おぼえられない!」量ではありません。
子音と母音の発音をしっかりと身に付け、あとはこれらを組み合わせるだけ、
ピンインは「とにかくおぼえる!」こと。
テキストや小説、絵本、その他インターネットのニュースをコピーしたものなど、なんでも良いので、ピンインを書き込んでいきましょう。ピンインがわらかないときは辞書を使用します。根気のいる地道な作業ですが、何度か調べ、書いているうちに自然とおぼえられるよになります。また、現在は手書きの辞書ツールなどさまざまな便利アプリがあるので、活用するのもおすすめです。
単語の勉強法
中国語を学習する中で、「単語がおぼえられない!」という悩みを持つ人は多いのではないでしょうか。ここでは、単語をおぼえるためのポイントや効率おぼえられる方法をご紹介します。コツを掴めば、単語学習も楽しくなりますよ!
【単語をおぼえるために必要なポイント】
- ピンインをしっかりと身に付けておくこと
- 四声をしっかりと身に付けておくこと
単語学習をはじめる前に、ピンインと声調(四声)をしっかりと理解し、身に付けておくことはとても重要なポイントになります。特に四声は、発音が違うとことばの意味がまったく異なってしまうので、単語学習をはじめる前に、しっかりとマスターしておきましょう。
ピンインと四声をある程度マスターできたら、単語教材を準備しましょう。現在では書店やインターネットでたくさんの単語教材が販売されています。その中から、初心者向けの単語教材をいくつかご紹介します。
ちなみに、初級の中国語検定試験に出題される語彙量は
- 新HSK1級:150語
- 新HSK2級:300語
- 中国語検定準4級:500語
- 中国語検定4級:500~1000語
語彙量の多さに驚いてしまうかもしれませんが、初級の単語は日本語と共通の語彙も多いので、おぼえやすい単語もたくさんあります。
また、中国語の単語には、1つの単語に対して複数の意味を持つものがあり、これが学習者の悩みとなることが多いようです。
1つの単語に複数の意味がある単語であっても、すべての意味をおぼえる必要はありません。まずは1つの単語に対して1つの意味をおぼえることから、気軽におぼえていきましょう。1つの単語を重点的におぼえようとするよりも、一度にある程度の量をまとめて学習することが大切です。とは言っても、一度にまとまった量の単語はおぼえきれません。おぼえきれなくて当然なのです。しかし、学習していく中で「何となく見たことがある単語だな、何ていう意味だったかな?」と思うようになり、これを繰り返し復習することで徐々におぼえられるようになります。
文法の勉強法
発音、ピンイン、単語をある程度学習できたら、次は文法学習に進みましょう。文法は、おぼえた単語を入れる「枠組み」のような存在です。基本的な文法を習得できれば、日常会話もできるようになります。
日本語のSOV構文に対して中国語の基本はSVO構文。日本語の文法とは異なりますが、中国語の文法はシンプルです。
また、英語では進行形や過去形、未来形や受動態などで動詞が変化しますが、中国語では動詞が変化することがなく、語順も変わることも少ないので理解しやすいです。
しかし、中国語の文章はすべてが漢字なので、慣れるまでは文章をどこで区切るかわからなくなったり、どれが動詞でどれが目的語か、わからなくなったりすることがあります。
もしこのような問題に直面したときは、並べ替え問題をたくさん解いてみたり、文章にスラッシュを引いて単語を区切る練習をするのも良いでしょう。慣れてしまえば、文章がぐっと読みやすくなってくるはずです。
独学で中国語を習得するための5つのステップ
1.ツールを準備する
中国語を習得するためにまず必要なことは、自分にあった教材・ツールを選ぶこと。先に述べたとおり、発音→ピンイン→単語・文法の順で学習をすすめましょう。書籍の教材の他、現在ではたくさんの学習アプリが配信されています。単語、文法、練習問題、リスニング、スピーキングなどいろいろなメニューが盛り込まれ、少しの空き時間を使って、いつでもどこでも手軽に学習できるメリットがあります。
2.発音をマスターする
これまでにも述べたとおり、中国語で重要なのは発音です。新しい単語を学習するときは、「1週間で〇〇個、〇〇ページまでおぼえよう」と決めて発音までマスターできるように計画を立ててみるのもおすすめです。
3.教科書を朗読・暗唱する
教材の中にある短文、長文を朗読・暗唱してみましょう。スラスラ読めるようになるまでは時間がかかりますが、中国語の文章や漢字に慣れる良いきっかけになります。同じ文章を2週間を目安に読みつづけてみましょう。慣れてくると文章の中でどれが動詞、どれが目的語、など単語の区別が徐々にできるようにもなってきます。最初はスラッシュを引きながら、たくさんの文章を読んでみましょう。
4.過去問題を繰り返し解く
検定試験を目指す方は積極的に過去問題に取り組みましょう。過去問題は決めた範囲を3週間を目安に何度も復習しながら解いてみましょう。
5.「話す」と「書く」を鍛える
新しい単語やフレーズをおぼえたら、実際に声に出して発音してみましょう。声に出して教科書を朗読するのも良いです。CDなど音声ツールに合わせて発音練習するのも良いでしょう。
また、文章を「書く」練習として、中国語で日記を書くのもおすすめです。最初は1行でもかまいません。書きたい出来事や気持ちを中国語で表現できるように辞書やテキストを活用しながら、毎日の日課としてチャレンジしてみましょう。
ネイティブと話してみる- ネイティブと話してみる&チャット学習
現在はインターネットの普及にともなって、中国語学習でも自宅、オフィス、学校、世界中のどこからでもネイティブと会話できるチャットワーク学習や会話レッスンアプリが多数あります。
【チャット学習アプリ】- LingoDeer
LingoDeerは基礎的な単語からセンテンス、発音や読解、リスニングなど幅広い分野で中国語を学ぶことができるアプリです。各項目ごとに文法を丁寧に解説◎初心者の方でもわかりやすい内容になっています。
ゲームのような感覚で楽しく中国語を学習できるので続けやすいのも魅力的なポイント!旅行や出張ですぐに使える挨拶やフレーズなども多数収録されています。
中国語学習をはじめるなら、是非LingoDeerをお試しください♪
以下のアプリから、ネティブとの会話レッスンをご体験いただけます!
【中国語会話レッスンアプリ】- Tandem
【チャット学習アプリ】- Cafetalk
などいろいろな種類のアプリがあるので、目的や用途に合ったものを選べるのも魅力的なポイントのひとつですね。
発音やリスニングなど、ネイティブとの会話を通して得られるメリットはとても大きく、中国語レベルアップへの近道になります。
また、実際にネイティブの方と会話することで中国の文化や習慣に触れ、視野を広げることができ、中国語を学習する「楽しさ」を実感できるようにもなります。
好きなことを中国語で学ぶ
ドラマ・映画で学習
ある程度の語彙量、文法力がついてきたら、実際に中国や台湾のドラマや映画を観てみましょう。現在はyoutubeやbilibili動画でもたくさんの作品を視聴できます。
最初はスピードの速さに驚くかもしれませんが、中国語で字幕も出るのでだんだん慣れて理解できるようになって楽しく視聴できるようになります。
聞き取れないところや、分かりにくかったところなどは繰り返し観てみるのも勉強になりますね。本場の中国語を耳で聞くことで、楽しみながら耳の練習になるので、おススメです。
ドラマやバラエティー番組を視聴できます。
是非お気に入りの作品を見つけてみてくださいね。
◆おすすめの映画◆
日本でも大人気のレスリーチャン主演の映画です。日中戦争や文化大革命を背景に、翻弄されながらも力強く生きる京劇役者たちの目線から描かれた近代中国のストーリー。

監督 チェン・カイコー
「覇王別姫」とは、劇中に登場する四面楚歌で有名な項羽と虞美人を描いた京劇作品で中国の伝統的な古典演劇である京劇は衣装や隈取など見た目にも華やかで美しく、いろいろな角度から楽しめる内容になっています。
ニュース番組を見る
スマートフォンの言語設定を中国語に変更してみるのもおススメです。中国語に設定すると、ツールなどの他、グーグルニュースも中国語に切り替わります。
中国語でニュースを読むなど、毎日少しずつ日常の中に中国語を取り入れることでより自然に語学力が身に付きます。
おすすめの中国語学習の本・参考書
◆おすすめのテキスト(初心者編)◆
少し前までは書店でもあまり見かけなかった中国語のテキストも、最近ではいろいろの種類のものがたくさん並ぶようになりました。
テキストを選ぶとき、もっとも大切なことは、ピンインや発音に関してわかりやすく解説しているものを選ぶことです。それは、中国語の基本がピンイン・発音にあり、今後学習していく上でとても重要なポイントになるからです。
すべて漢字で表現される中国語は、その字を正確に読み・発音しないと伝わりません。
そのため、ピンイン・発音はとても重要な基礎部分になります。「わかりやすい」と思えるテキストで学習できると、この基礎の部分がしっかりと身に付きます。
販売されている多くのテキストにはCDなどが付属していて、ネイティブの発音を聞くことができるようになっています。ある程度理解を深めたら、ネイティブの発音を聞いたり、合わせて発音する練習をするとなお良いでしょう。
【初心者におすすめのテキスト】
◆おすすめのテキスト(中・上級者編)◆
ある程度基礎知識がついたら、次は中・上級者編のテキストを選んでみましょう。
中・上級学習のポイントは、さらに複雑な文法を理解し、表現力を身につけることです。初級から中級で学習した単語やフレーズ、慣用句を活かして応用できるように、テキストには長文問題や作文問題も多数出題されているものもあります。
また、中~上級者用のテキストはHSK(汉语水平考试)に役立つものも多いです。
ここでも、「わかりやすい」と思えるテキスト選びが大切なポイントになります。
【中・上級者におすすめのテキスト】
また、小説も語学力のアップにつながります。
まだまだ書店では見かけない中国語の小説ですが、中国ではたくさんの本がリーズナブルな価格で販売されているので、旅行に行ったときなど機会があるときに購入したり、
日本でも、Amazonなどで少し販売されているのでチェックしてみてください。
小説は、わからない単語があると辞書で単語を引きながら自分のペースでゆっくりと読み進められるので、読解力や文法力などのレベルアップにも効果的です。
【おすすめの中国語小説】

など。他にも多数販売されています。お気に入りの作品を見つけてみてくださいね。
まとめ
いかがでしたか?
中国語の習得は決して容易ではありませんが、適度にリフレッシュを取り入れながら、少しずつマイペースで楽しみながら学習するのがポイントです。
はじめはピンイン、発音、単語や文法などおぼえることがたくさんあり、時には「楽しい」と思えなくなることも。ですが、この段階での「積み重ね」は必ず後で役に立つようになります。学習が「なかなか進まない」、ペースが「遅い」と感じても、大切なのは「必ず身についている」ことを忘れないこと。学習したことが身につかない日はありません。
単語やフレーズを覚えたら恥ずかしがらず、どんどん発音してみましょう!
身近なところに中国人のお友達ができたり、留学やビジネスで中国に行けるチャンスがあれば、さらに上達は早くなります。毎日の積み重ねが語学力につながり、きっと自信につながるはずです。
頑張ってください!皆様の中国語学習を応援しています!